和食に合うワインは、料理の色・味の強さ・出汁の旨味の3つで選べば失敗しません。
「和食にワインって難しそう」と感じる方は多いのですが、実はコツを掴めばとても楽しめます。
ソムリエとして150回以上ワイン会を主宰してきた経験から、和食×ワインのペアリングを完全解説します。
## この記事でわかること
- 刺身・焼き鳥・すき焼き・天ぷら・お寿司、料理別の具体的なワインの選び方
- 日本ワイン(甲州・マスカット・ベリーA)が和食に最適な理由
- 「醤油・味噌×ワイン」でよく起きる失敗とその解決法
「和食とワインは難しい」は誤解!基本ルール3つで簡単に合わせられます
和食とワインは相性が悪い、というのは昔の話です。
私がソムリエとして主宰してきた150回以上のワイン会でも、「和食に合わせるワインを探したい」というリクエストは年々増えています。
2024年に開いた和食×ワインのテーマ会では、参加者14名全員が「日本ワインがこんなに和食に合うとは思わなかった」と驚いていたほどです。
ペアリングの基本は、次の3つのルールを覚えるだけです。
ルール1:食材の色を合わせる
白身魚や豆腐には白ワイン、赤身肉や濃い味付けには赤ワインが基本です。
色を合わせるだけで、大きく外すことがなくなります。
ルール2:味の強さを合わせる
薄味・繊細な料理には軽めのワイン、しっかりした味付けには骨格のあるワインを合わせます。
おだしの風味を活かしたいときは、酸味が優しくタンニン(渋み)が少ないワインを選んでください。
ルール3:食感を合わせる
天ぷらのサクサク感には泡(スパークリング)、すき焼きのとろりとした食感には滑らかな赤ワインが合います。
口の中の質感を合わせると、料理とワインが一体化した感覚になります。
この3ルールを知るだけで、和食×ワインの選択肢が一気に広がります。
刺身・海鮮料理に合うワイン【鮮度を殺さない選び方】

刺身や海鮮料理には、白ワインが鉄則です。
赤ワインのタンニン(渋み)は生魚の鉄分と反応して、生臭さを引き出してしまいます。
繊細な鮮度を楽しみたいなら、タンニンのない白ワインを選ぶことが第一歩です。
刺身の種類別ワインの選び方
| 刺身の種類 | おすすめワイン | 理由 |
|---|---|---|
| 白身魚(ヒラメ・タイ) | シャブリ(フランス)、辛口甲州 | ミネラル感が鮮度を引き立てる |
| マグロ赤身 | 軽めのピノ・ノワール(ロゼも可) | 旨みの強さに合わせる |
| ホタテ・アワビ | 樽なしシャルドネ、ムスカデ | クリーミーな食感とよく合う |
| イカ・タコ | ヴェルデホ(スペイン)、甲州 | 旨みの強さが拮抗する |
| サーモン | 辛口ロゼワイン | 脂の甘みと果実味が合う |
ポン酢や塩レモンで食べるなら、酸味のある白ワインが特によく合います。
醤油わさびで食べるときは、日本ワインの甲州(こうしゅう)が一番しっくりきます。
私のワイン会では、甲州を刺身盛り合わせに合わせたとき「醤油と喧嘩しない!」という声が毎回上がります。
甲州特有のほのかな苦みが、わさびの辛さと不思議な調和をつくり出すんです。
詳しい魚料理とワインの合わせ方は、「魚料理に合うワイン【刺身・白身魚・シーフード別ペアリング】」もご覧ください。
焼き鳥・唐揚げに合うワイン【居酒屋定番の最強ペアリング】
居酒屋の定番、焼き鳥と唐揚げには幅広いワインが合います。
鶏肉は脂が少なく、旨みがあって比較的クセが少ないため、赤でも白でも合わせやすい食材です。
タレか塩かによって、選ぶワインが変わってきます。
焼き鳥(タレ)には赤ワイン
甘辛いタレには、フルーティーで渋みが少ない赤ワインが好相性です。
ガメイ(ボジョレー)やピノ・ノワールなど、軽めの赤ワインを選んでください。
焼き鳥(塩)には白ワイン
塩で素材の味を引き立てる塩焼き鳥には、ミネラル感のある白ワインが合います。
ソーヴィニヨン・ブランやアルザスのリースリングがおすすめです。
唐揚げにはスパークリングワイン
揚げ物の油感を、スパークリングの泡が洗い流してくれます。
シャンパンはもちろん、カヴァやプロセッコでも充分に美味しく合わせられます。
鶏肉料理とワインのペアリング全般については、「鶏肉に合うワイン【調理法別ペアリング完全ガイド】」で詳しく解説しています。
すき焼き・肉じゃが・煮物に合うワイン【だし×ワインの意外な相性】
和食の中でも、醤油と砂糖の甘辛い味付けが入る料理には赤ワインが合います。
すき焼きにはミディアムボディの赤ワイン
すき焼きの甘辛い割り下と、タンニンが穏やかなフルーティーな赤ワインは相性抜群です。
フランス・ブルゴーニュのピノ・ノワールや、日本ワインのマスカット・ベリーAが特におすすめです。
私のワイン会でマスカット・ベリーAとすき焼きを合わせたとき、参加者12名全員が「これは日本酒よりいい!」と絶賛しました。
マスカット・ベリーAは日本産のブドウ品種で、和食に合わせるために生まれてきたような味わいです。
肉じゃが・煮物には軽めの赤ワイン
醤油ベースのだし煮には、タンニンが強すぎない赤ワインを選びましょう。
出汁の繊細な旨みを消してしまう重すぎるワインは避けるのが基本です。
茶碗蒸し・だし巻き卵には辛口白ワイン
繊細な出汁の旨みを活かすなら、酸が穏やかで旨み豊かな白ワインが最適です。
甲州や、フランスのシュナン・ブランなどが良く合います。
天ぷらに合うワイン【サクサク感を活かすポイント】
天ぷらに合わせるなら、スパークリングワイン一択です。
泡の細かい炭酸が口の中をリセットしてくれて、次の一口がまた美味しく感じられます。
揚げ油の重たさを感じさせないのが、スパークリングを合わせる最大のメリットです。
海老や白身魚の天ぷらにはシャンパーニュが最高ですが、コスパを考えるならカヴァ(スペイン)やプロセッコ(イタリア)で充分楽しめます。
野菜天ぷら(レンコン・かぼちゃ・まいたけ)には、辛口の白ワインも合います。
野菜の甘みとワインのミネラル感が引き立て合い、思わず箸が進みます。
「天つゆ」で食べるなら、塩で食べるときよりも少しだけ味の強いワインを選んでください。
塩でいただく天ぷら×シャンパーニュの組み合わせは、私が最もよく提案するペアリングの一つです。
スパークリングワインの選び方全般については、「スパークリングワインおすすめ8選【初心者向けソムリエ厳選】」も参考にしてください。
お寿司に合うワイン【にぎり・巻き寿司別ガイド】
お寿司とワインは、実は相性が良い組み合わせです。
シャリ(酢飯)の酸味とワインの酸味が合わさると、すっきりとした余韻が生まれます。
シャンパーニュや辛口白ワインが特に合います。
寿司ネタ別のワイン選び
光り物(サバ・イワシ・アジ)→ 辛口白ワイン・ロゼ
脂が乗った光り物には、酸味のしっかりした白ワインかドライなロゼが合います。
ソーヴィニヨン・ブランやプロヴァンスのロゼがおすすめです。
貝類(ホタテ・アワビ・牡蠣)→ シャブリ・辛口白ワイン
貝特有のミネラル感を活かすには、同じくミネラル感の強い白ワインを合わせます。
シャブリは牡蠣との相性で有名ですが、ホタテやアワビにも最高です。
赤身(マグロ・カツオ)→ 軽めの赤ワインかロゼ
鉄分が多い赤身には、タンニンが柔らかい赤ワインが合います。
ロゼワインで赤と白の中間を取るのも上手な選び方です。
ウニ・イクラ(濃厚系)→ シャンパーニュ
クリーミーで濃厚なウニやイクラには、酸とミネラルの豊富なシャンパーニュが一番です。
泡の爽快感が濃厚な旨みをリフレッシュしてくれます。
日本ワイン(甲州・マスカット・ベリーA)が和食の最高の相棒な理由
甲州ワインと和食 – 日本ワインと日本料理の相性” class=”wp-image-265″ srcset=”https://yuruwinelife.com/wp-content/uploads/2026/05/014_fig2_japan_wine.jpg 1408w, https://yuruwinelife.com/wp-content/uploads/2026/05/014_fig2_japan_wine-300×164.jpg 300w, https://yuruwinelife.com/wp-content/uploads/2026/05/014_fig2_japan_wine-1024×559.jpg 1024w, https://yuruwinelife.com/wp-content/uploads/2026/05/014_fig2_japan_wine-768×419.jpg 768w” sizes=”(max-width: 1408px) 100vw, 1408px” />和食に合わせるなら、日本ワインを最初の選択肢に入れてほしいのが私の本音です。
日本ワインとは、国産のブドウを使って日本で造られたワインのことです(国税庁の定義)。
輸入ブドウ果汁を使った「国内製造ワイン」とは異なりますので、ラベルをよく確認してください。
甲州(白ワイン)
甲州は、山梨県を中心に栽培される日本固有のブドウ品種です。
淡い黄金色で、柑橘系の爽やかさ、ほんのりとした苦みと旨みが特徴です。
この旨み成分が、醤油・だし・みりんとの親和性をとても高くしています。
刺身・天ぷら・茶碗蒸し・焼き魚、何に合わせても失敗が少ない万能ワインです。
初めて和食×ワインに挑戦するなら、甲州から始めることをおすすめします。
マスカット・ベリーA(赤ワイン)
マスカット・ベリーAは川上善兵衛(よしべえ)氏が日本の気候に合わせて作ったブドウ品種です。
フルーティーで渋みが穏やかなため、醤油や味噌の風味と喧嘩しません。
すき焼き・焼き鳥・牛丼・カツ丼など、和食の定番にはほぼ何でも合います。
日本ソムリエ協会(J.S.A.)のソムリエ試験でも、甲州とマスカット・ベリーAは日本ワインの代表品種として必ず出題される重要な品種です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 醤油とワインって本当に合わないの?
醤油とワインを合わせること自体は問題ありません。難しいのは、タンニンが強い重い赤ワインと醤油の組み合わせです。タンニンと醤油の塩分が合わさると渋みが増して、口の中が重くなることがあります。甲州や軽めの赤ワインを選べば、醤油との相性は問題ありません。
Q2. 日本酒の代わりにワインを出しても失礼にならない?
和食のコース料理でもワインは広く使われており、まったく失礼ではありません。高級割烹や料亭でも日本ワインをペアリングに取り入れるケースが増えています。甲州やマスカット・ベリーAを選ぶと、和の食卓にも自然に馴染みます。
Q3. お味噌汁やお吸い物があるときはどうすれば良い?
お味噌汁やお吸い物は、コースの途中にさっぱりさせるためのものです。飲み物を一時止めて汁物を楽しむのが一番ですが、どうしても合わせるなら日本ワインの甲州が最も邪魔しません。
Q4. 和食でデザートワインを使っても良い?
和菓子(あんこ・和スイーツ)には、デザートワインや甘口のリースリングがよく合います。大福やどら焼きには、甘口のドイツワイン・スパートレーゼが意外なほど合います。チョコレートを使った和スイーツには、ポートワインやルビーカベルネが好相性です。
Q5. スーパーで買える和食×ワインの組み合わせを教えて
スーパーで手に入る組み合わせで一番おすすめは、総菜コーナーのお刺身 × サッポロ甲州です。1000円以内でできる最高のペアリングです。唐揚げにはカヴァ(スペインのスパークリング)が合います。コンビニのおでんには、セブンイレブンなどで売っているボジョレーヴィラージュが驚くほどよく合います。
まとめ:和食×ワインは「日本ワイン」から始めよう
和食に合うワインを選ぶポイントをまとめます。
- 色を合わせる:白身魚・豆腐系→白ワイン、赤身肉・こってり系→赤ワイン
- 味の強さを合わせる:繊細な出汁料理→軽め、濃い味付け→ミディアム以上
- 揚げ物・天ぷら→スパークリングが鉄板
- 初心者には日本ワイン(甲州・マスカット・ベリーA)が最もおすすめ
初めて和食×ワインに挑戦するなら、地元の酒屋さんで「甲州ワインはありますか?」と聞いてみてください。
きっと素晴らしいマリアージュが待っています。
白ワインの選び方全般は「白ワインおすすめ8選【初心者向け・飲みやすい銘柄をソムリエが厳選】」、赤ワインについては「赤ワインおすすめ8選【初心者・飲みやすいのはこれ】」をご覧ください。
デザートとワインのペアリングをさらに詳しく知りたい方は、デザートに合うワイン完全ガイド【ソムリエが種類別に徹底解説】もご覧ください。
甲州を中心とした日本ワインのおすすめ銘柄もあわせてチェックしてください。
著者:平田年史(ソムリエ)|150回以上のワイン会を主宰。岡山県を中心に、ワイン初心者から愛好家まで幅広い層へワインの楽しさを伝える活動をしています。


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